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墨 -sumi-

菜種油や松やにを燃やした煤(すす)に動物の膠(にかわ)を混ぜて練り固めた後、約半年乾燥して固形となる。

良い香りがするのは老木から採取した香料のためであり、墨本来の香りではない。そして原料はすべて自然からの恩恵。

固形の状態で擦る前ならば長期的な保存は可能。しかし一度、擦れば膠の性質上、徐々に腐敗してきて品質が低下してゆく。 まさに生き物であり命そのもの。

いかに安く、いかに多く。

このような生産効率が重視される昨今、時代に逆行して固形墨はすべて人の手と魂で作られている。

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